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AIで経理はラクになる?現金出納帳を弥生会計に取り込んで分かった「AIの得意と苦手」

「このExcelの出納帳を、そのまま弥生会計にインポートできればいいのに……」

そんな事務職の切実な願いを、HAYAWAZAスタッフが、HAYAWAZAを使わずに(!)

生成AI(GeminiやChatGPTなど)を使って叶えようとしてみました。

結論から申し上げますと、「AIにしかできないこと」に驚かされる一方で、
「AI特有の落とし穴」にも直面するという、非常に学びの多い検証となりました。


1. 準備したのは「Excelファイル」と「インポート仕様書」

※検証の内容は、2026年2月現在ものです。

まずは、AIに以下の2つを提示するところからスタートしました。

  1. 普段使っているExcelの現金出納帳ファイル(そのままアップロード)
  2. 弥生会計のインポート形式(25列)の並び順(テキストで指示)

「相手勘定はすべて『現金』で、各行の科目を使って仕訳を組んで」と指示を出すと、AIは即座にファイルの中身を読み取り、仕訳データを生成し始めました。

HAYAWAZAのようなソフトを使わず、自分の言葉で伝えただけでファイルが作られていく様は、まさに時短の極みです。


2. 税区分は「対象外」で割り切る勇気

ここで一つ課題になったのが「税区分」です。

弥生会計には独自の税区分コード(課対仕入10%など)がありますが、AIにその会社独自の細かいマスタまでは分かりません。

そこで今回は、「税区分はすべて一旦『対象外』にする」というルールをこちらで指定しました。

「最初から完璧を目指すとAIとの調整に時間がかかる。まずは弥生にデータを取り込むことを優先し、細かい税区分はインポート後に弥生の中で一括修正すればいい」と割り切ったのです。

この「AIに任せる部分」と「後で人間が直す部分」の切り分けが、効率化のコツだと感じました。


3. AIが苦手なこと:会計ソフトの「頑固なお作法」への無頓着

しかし、スムーズに進むかと思った矢先、無情なエラーメッセージが返ってきます。

「不正な行があるためインポートできません:必須項目が空欄です」

AIにエラーを伝えると、AIはこう返してきました。

「元データの科目名が空欄になっている行があるかもしれません。」

しかし、データはすべて埋まっているのです。

これはAI特有の「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」です。自分の出力形式が弥生会計の仕様に合っていないのを棚に上げて、さも「ユーザーのデータに不備がある」かのように振る舞い始めたのです。

AIは論理的な思考は得意ですが、「0と空欄の使い分け」や「改行コードの厳密さ」といった、システム同士の細かなお作法には、驚くほど詰めが甘い面があります。


4. 解決の鍵は、AIではなく「人間」の直感

泥沼化したやり取りを終わらせたのは、AIの高度な分析ではなく、私の直感的な一言でした。

「全部ダブルクォーテーションで括ればいいだけじゃないの?」

CSVの特性を知っていれば、これこそが列の認識ズレを防ぐ最も確実な手段だと気づきます。

AIにこの指示を出した瞬間、それまでのエラーが嘘のように消え、データはスルリと弥生会計に吸い込まれていきました。

AIが何十分も悩んでいたエラーを、人間が「仕様の本質」を突くことで一瞬で解決した瞬間でした。
勝った!と思ってしまったのは私の心の狭さでしょうか。


5. 弥生のマスタを読み込ませれば「無敵」になれるのか?

「AIに自社の勘定科目マスタを読み込ませれば、もう完璧なのでは?」という期待もありますが、ここには明確なデメリットも存在します。

比較項目生成AI(Geminiなど)HAYAWAZA
正確性確率で動くため、稀に「嘘」をつくルール通り100%正確
マスタ参照「似ているもの」を提案するのが得意1字1句違わぬ照合が得意

AIはマスタを「暗記」することはできますが、
それをデータベースのように「100%正確に引き出し続ける」ことは苦手です。

マスタに存在しない「クリエイティブな勘定科目」を勝手に作ってしまうリスクもゼロではありません。
実際に別のデータで検証したときは、存在しない補助科目コードを延々と出し続けたことも。

6. 結論:AIは「優秀だが、ちょっと抜けている新人」

今回の検証で分かった、AI活用の最適解は以下の通りです。

  • AIに向いていること: 月に数十件程度の、入力が面倒な「雑多な出納帳」の変換。
  • 人間がすべきこと: * インポート形式(全項目を引用符で囲むなど)の厳密な指定。
    • 税区分などの細かい設定は、インポート後に直すと割り切る判断。

AIは、指示さえ間違わなければ爆速で動く「超有能な新人スタッフ」です。

ただし、システム固有の壁にぶつかった時、AIの言い訳を鵜呑みにせず、人間が「ダブルクォーテーションで括りなさい!」などと正しく導いてあげること。

これこそが、今の時代のAIとの付き合い方の初めの一歩なのかなと思いました。


今回の時短テクニック(プロンプトのコツ)

もし皆様が試される際は、以下の指示をセットで伝えてみてください。

ちなみに今回はすべて単仕訳で作成をしています。

「相手勘定は現金。税区分は一旦すべて『対象外』でOK。全25項目をダブルクォーテーションで囲って、文字コードはShift-JISで出力してください。」

この「割り切り」と「お作法の指定」が、あなたをエラーの泥沼から救ってくれるはずです。

いかがでしたでしょうか。

皆様の生成AIとの付き合い方の助けになれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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